後藤商事株式会社
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  デミスターとは?/ What's demister ?
 
    デミスターとは?
弊社奈良工場の元技術部長が1995年(平成7年)に執筆し、社団法人石油学会会誌「PETORTECH」に
掲載された記事「基礎講座 小型プロセス機器 第11回 デミスター」の中から一部抜粋しました。
 
1.概 要

 デミスターは、別名ワイヤーメッシュデミスター・ワイヤーメッシュブランケット・ワイヤーメッシュエリミネーターなどとも呼ばれているものであり、気体中に同伴される液体の微粒子(ミスト)を気体中から分離除去する用途に使用される。
その使用分野は、石油精製・石油化学はゆうに及ばず化学工業全般・発電・製紙・精糖・海水淡水化(造水)公害防止など多岐にわたりその有用性が広く認められている。



2.原 理

 デミスターは、ミストを細い線に慣性衝突させて除去するタイプの分離器であり、一般に上昇気流中において使用される。その作用原理の概要について以下に述べる。

上昇気流に伴って上昇してきたミストは、デミスターを構成する広範な線表面に慣性衝突し、線の濡れ性や線と線の隙間の毛細管現象により集合・成長しつつデミスター内を流下し、やがて適当な大きさになった液滴は重力の作用により気流の上昇力に抗してデミスターから離れて落下する。デミスターを通過した後の上昇気流中にはもはや液体成分は殆ど存在せず純粋なガス体のみである。(図1


3.構 造

 デミスターは、一般的に細い金属線(線径の太いものでφ0.25mm程度、細いものでφ0.12mm程度)を
図2のように特殊な編み方で編み(生地と呼ぶ)、その生地を特殊なロールで波付けし、必要な大きさに切断した上で幾層にも積層してマット状としたものである。波付けされたそれぞれの層は図3のように層毎に波付け方向を違えて積層されてている。さらに機器への取り付けを容易にするために、上下を目の粗い格子(グリッド・図4)で挟んで一体とされて組み立てられる。

このようにして構成されるデミスターは充てん密度の小さいもので密度80kg/m3・接触表面積150m2/m3程度のものから充てん密度の大きいもので密度430kg/m3・接触表面積1700m2/m3程度のものまで何種類かのタイプがあり、95%〜99%の大きな空間容積と非常に大きな接触表面積を有している。
この結果、デミスターは同じような用途に使われるその他の充てん物などと比べて非常に軽量で、圧力損失が少なく、かつ分離効率が非常に高いという特徴を持っている。ちなみに常温・常圧の空気流中から径10μmのミストをデミスターで分離した場合、充てん密度が中くらいの標準的なタイプのデミスターを使用すると、厚さ100mmで分離効率は99%以上、圧力損失は概ね20mm水柱以下である


 
4 選定基準

  デミスターの仕様・寸法は、その用途・使用条件により個々に設計して決定されるが、
使用するタイプは概ね以下に述べる基準により選定される。

 @粒子径の大きな液滴や粘度の高い液滴の分離、あるいは多少分離性能は犠牲にしても
圧力損失を極力低く抑えたいなどの目的には、線径が太く充てん密度の低いタイプのデミス
ターを使用する。

 A粒子径の小さな液滴を高い効率で分離する目的には線径が細く充てん密度の高いタイ
プを使用する。



 中 略
4-4 まとめ

 以上のことから、デミスターの分離効率を上げようとすると圧力損失も高くなる傾向に
あることがわかる。
 なお、詳細なデミスターの検討には、以下の諸条件・各数値が必要である。
   @使用目的
   Aガス流量
   B使用温度・圧力、
   Cガス体及びミスト(液体)の密度
   Dガス体及びミスト(液体)の粘度、
   E許容圧力損失
   Fミストの大きさ(径)と濃度
   G希望分離効率、
   H既設機器に使用する場合、その機器の大きさ(径)



5 あとがき

  デミスターは耐食性を考慮して主に各種ステンレス材製のものが製造され使用されてきたが、最近では過酷な腐食条件などの用途に対応する特殊な材料製のものの需要が増大してきており、それぞれの用途に合った非鉄金属材、非鉄金属基合金材、樹脂材などでも製造され使用されている。また細い線が製造可能で、それでデミスターの生地を編むことができれば、どのような材料でもデミスターを製造することが可能となるので、今後材料の開発が進めばもっと多種多様な用途に利用されるようになると思われる。

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